PEACE IN TIME

ギャラリー形式のMy Photograph Album

Happy Christmas ~ Cristmas Truce~

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ドイツ軍の塹壕から
きよしこの夜」が聞こえてきました。
戦場に響き渡るその歌を歌っていたのは
クリスマス慰問のためにドイツ軍の塹壕を訪れていた
ドイツの有名なテノール歌手ヴァルター・キルヒホフ

キルヒホフの美しい歌声には誰もが心を打たれ
戦場にいた兵士達は一時的に戦いを忘れ感動します。

イギリス軍側として参戦していた
フランス軍将校の一人は
キルヒホフのアリアを
パリのオペラ座で聴いたことがあり
その将校はキルヒホフの歌声を聴き終わると
感動のあまり敵であるドイツ軍に向かって
拍手を送ります。

その後、信じられないことが起こります。
双方の兵士たちが次々と銃を置いて、
対峙している中間地帯に出て行ったのです。
敵味方が入り混じる中、両軍の兵士たちは、
お互いに「メリークリスマス」と挨拶をし、
握手をするのです。

『クリスマス休戦』の際、
兵士たちは塹壕に小さなツリーを吊り下げ
飾り付けを行います。
そして兵士たちは戦闘が止まった戦場で、
互いの戦友の遺体を一緒に埋葬し、
敵味方を超えた
人間としての哀悼の念を共有します。

兵士達は煙草の火を交わし
さらにパンや缶詰などの貴重な食料も交換、
そして互いの家族の写真を見せ合いました。

この瞬間、
戦場の兵士達に国籍や敵味方の壁は存在せず
敵国の兵士と並んで
写真を撮るという出来事もあり
その写真は、戦争中であっても
人間性と和解の可能性が存在する
貴重な記録となっています。

親睦が深まる中、
両軍の兵士達はサッカーの試合を始めます。
友好的な雰囲気の中、
兵士たちは軍帽とヘルメットを脱ぎ捨て、
ゴールポスト代わりに使いました。

この試合の記録は、
第133ザクセン連隊の公式記録として残っています。

スタンリー・ワイントローブの著書
クリスマス・キャロル
第一次世界大戦のクリスマス休戦』では
一人の兵士が当時の様子を詳しく語っています。

「夜間のパトロールで匍匐前進しているときには
十数キロはあると思っていた中間地帯が、
実はせいぜいサッカー場2面分しかなかったんです」

この『クリスマス休戦』は
敵味方同士の交流が一つの歌を仲介として生まれた
つかの間の奇跡でした。