彩

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　横浜市中区花咲町

街はネオンの夢魔が住む峡谷

　　ここでは電気の蓄積物が燃え盛り
　　言葉は意味のないものと化す

　　多くの人々が寂しさを背負い急ぎ足で蠢く中
　　一人ポツンと寝そべってみたい

今、私は終わりのない螺旋階段であなたを待っている
あなたの心の中に住む賢人を信じてネオンの中で喘いでる
しかし、あなたは、私に目を向けようともせず
大きな椅子に坐ったまま片手にワイングラス

私は扉から扉へと哀れみを乞い歩いた
そして夢の中で生きるには
青ざめた月の光だけが助けになると呟く

誰にも頼る事の出来ないこの街では
結局、人々は、それぞれの道に戻っていくしかない事に気づきながらも