PEACE IN TIME

ギャラリー形式のMy Photograph Album

閃光

湯を沸かそうとコンロのスイッチをひねり
火を見た瞬間、原爆の閃光の記憶は突然よみがえる

広島県呉市の女性はその日以来、
一度もコンロにさわれない。

去年からは飛行機の音が聞こえると、
「爆弾を落とすのでは」と感じて耳をふさぐ。

広島の爆心地から約1キロで被爆
光で気を失い、瓦礫の下敷きに。
気づいてはい出すと、辺りは火の海で
川は沸騰しているようだった。

8月末に瀬戸内海の島にある実家に戻ったが、
太陽の光を見ただけで取り乱した。
両親は天幕で部屋を真っ暗にした。
髪が抜け、血を吐き、1年以上療養。

子や孫に体験を話したことはない。
一緒に住む長男夫婦には
「ばあちゃんは火を使わへん」と言っている。