桜は、日本人にとって
自分がこの国で生まれ育った証
そのように思えたのは、
戦時中の桜にまつわる話から。
戦艦大和の沖縄への出撃。
兵士達は、
生きて帰ることはないと知っていた。
出撃前日、
瀬戸内海で訓練中の艦上で
「桜、桜」と叫ぶ声が上がったそうだ。
乗員は先を争って双眼鏡に取り付いた。
そして、
「コマヤカナル花弁ノ、
ヒト片(ひら)ヒト片ヲ
眼底ニ灼(や)キツケントス
桜、内地ノ桜ヨ、サヤウナラ」
「おはよう」
その一言で友を救うことも出来る。
「おはよう」
それは仲間と認める言葉。
思い出して
肌のぬくもり
優しい瞳
穏やかな笑顔